インナーマッスル
一昔前からよく耳にします。
姿勢改善には必須!
痩せやすい体質になる!
こんなフレーズとセットで使われることがあります。
確かにインナーマッスルのトレーニングを行うことは、美しい姿勢をキープするためにも正しく歩くためにも欠かすことはできません。
しかし言葉だけが先行してしまい、インナーマッスルを鍛えることが目的になってしまっている場合があります。
インナーマッスルとは
そもそもインナーマッスルとは、カラダの深層に付着する筋肉の総称で、インナーマッスルと呼ばれる筋肉は存在しません。
それに対して表層の筋肉はアウターマッスルと呼ばれています。
インナーマッスルの役割
- 関節や内臓の安定
- 筋膜を通して固有受容器への伝達
関節や内臓の安定
インナーマッスルが機能することで、関節を適切な位置に固定させてくれる働きを持ちます。
関節が適切な位置にない場合、股関節であれば詰まり感、肩関節であれば巻き肩や四十肩などのリスクが増大します。
また腹横筋などのお腹のインナーマッスルは、上下左右からお腹を適切な空気圧に保つことによって、背骨や内臓を正しい位置に保持する働きを持っています。
筋膜を通した固有受容器への伝達
インナーマッスルするが正しく機能することで、骨の位置を適切に位置させるということは上記にも述べました。この適切な骨の位置をインナーマッスルに連接する筋膜という組織を通して脳へと位置情報が送られます。この伝達が正しく行われることで、脳が骨の位置を覚え込み、姿勢を保持することができます。
逆にインナーマッスルが弱化し、骨が正しい位置にない場合、この間違った位置を脳に送ることになるので姿勢を正しく保持させることが難しくなります。
トレーニングのポイント
⒈過度な緊張を取り除く
インナーマッスルは深層にあり非常に感覚が繊細な筋肉です。肩が上がってしまうなどのカラダが緊張した状態では外側の筋肉を優先的に使ってしまうことになり、機能的に鍛えることが難しくなってしまいます。まずはカラダを緩める呼吸ドリルなどをおすすめします。
⒉可動域を広げればいいわけではない
インナーマッスルを意識したエクササイズを行う際に、とりあえず可動域を大きく動かそうとする方を見かけますが、その必要はありません。あくまでも骨を安定させることが目的ですので、「キツければいい」という概念は捨て去ってください。
エクササイズ例
エクスターナルローテーション
- 肩のインナーマッスルを機能させる
- 巻き肩や四十肩、肩の傷害予防など
クラムシェル
- お尻の深層筋を機能させる
- 股関節の詰まり、O脚の改善など
ドローイン
- お腹のインナーマッスルを機能させる
- 腰痛、ぽっこりお腹、立ち姿勢の改善など
最後に
私たちは日常においては歩く、座る、ものを持つといった動作を絶えず繰り返します。そのためにはインナーマッスルだけではなく、アウターマッスルも必須であり、これら両方をトレーニングしていく必要があります。
大切なことは、過度な緊張を取り除きながら効率的に動作が行えるカラダ作りです。
そういった意味では、インナーマッスル/アウターマッスルと二極化させていること自体がナンセンスなのかもしれません。
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